レポートでDIGITIMESの蕭氏は、大規模言語モデル(LLM)の性能向上に加え、エージェントAI(Agentic AI)による企業業務の自動化への貢献に対する期待を背景に、2026年は北米の大手クラウドサービスプロバイダ(CSP)、ネオクラウド(Neo Cloud)、大手AIラボがAIデータセンターに対する投資を加速したと指摘。また、米エヌビディア(NVIDIA)のAIスーパーチップの主力量産モデル「GB300 NVL72」搭載サーバーの出荷が前世代よりも順調に進んでいることもあり、2026年はGPU搭載AIサーバーの比率が全体の約6割まで上昇すると予想した。一方、非GPU機種では米グーグル(Google)のTPUシリーズASIC搭載モデルの比率が高いものの、供給不足の深刻化により、TPUサーバーの出荷構成比は2025年を下回る見通しだとした。
2026年のXPU(GPU、ASIC、TPU)サプライヤー別の出荷シェアについては、エヌビディアのプラットフォームが初めて過半数を占めると予想した。これに対し、米ブロードコム(Broadcom)のソリューションはグーグルの発注シフトや他の顧客の量産が本格化していないのを背景に、29%に低下すると見込んだ。一方で、米CSP大手と台湾系IC設計業者とのタッグが影響力を発揮するとし、「アマゾン(Amazon)+Alchip(世芯)」、「グーグル+MediaTek(聯発科)」等のソリューションを採用するハイエンドAIサーバーが合計で約9%を占める見通しだとした。
AIサーバーラックのアーキテクチャ別については、エヌビディアのNVL72の出荷シェアが2025年の24%から2026年には42%へと大幅に拡大し、TPUベースのフィッシュラック(Fish rack)を抜いて最大シェアになると見込んだ。
顧客別の調達構成については、北米CSP大手のハイエンドAIサーバー調達割合が25年の78%から68%に低下すると予想。これに対し、ネオクラウドは調達の伸び率が最も顕著だとし、シェアは17%に上昇すると見込んだ。さらに、大手AIラボが初めて主要顧客ランキングに登場して約6%を占めるとした。中国系CSPは4%に低下するとの見通しを示した。
2026年のハイエンドAIサーバー顧客の上位10社構成については、前年に続き首位グーグル、2位アマゾンを予想した。コンピューティングパワーを積極的に配備する米オラクル(Oracle)と米スペースX(SpaceX)AIが、マイクロソフトを抜いて3位と4位に浮上するとした。また、初登場の米アンソロピック(Anthropic)が13万5000台で8位に入るとした。この他、AIクラウドの米Nebiusの成長率は400%超と、主要事業者の中で最も高い伸びを記録すると見込んだ。
AIサーバー供給側についてレポートは、Tier 2のクラウド事業者が増加していること、さらにこれらの事業者がブランド企業経由での調達を好むことから、2026年のハイエンドAIサーバーにおけるブランド企業の出荷割合が2割を突破し、サーバーODM(Original Design Manufactuer=設計・製造の受託)による直接供給方式(ODM-direct)は79%に低下すると予想した。上位4社の順位は前年から変わらず、1位「グーグル+加セレスティカ(Celestica)」、2位台湾クアンタ(広達電脳=Quanta)、3位台湾フォックスコン(FOXCONN=鴻海精密=ホンハイ)、4位米デル(Dell)を予想した。デルについては、出荷台数が約30万台(前年比162%増)となり、上位4社の中で最高の伸びを示すとした。クラウド企業からの受注増を背景に台湾ウィストロン(緯創)傘下の台湾Wiwynn(緯穎)が5位、米スーパーマイクロ(Supermicro)は6位に後退するとの見方を示した。
今後の見通しについて蕭氏は、最近のAIモデルの安全性に対する懸念から、各事業者が既存の計算能力計画を見直し、短期的に一部のモデル学習を減速させる可能性があると指摘。ただ、コンピューティングリソースがエージェントAIの商用化がもたらす「ロング推論」や「ハーネス・エンジニアリング(harness engineering)」の需要へと急速に移行していることから、短期的には次世代推論型AIサーバーへの移行に伴い成長ペースが一時的に鈍化する可能性があるが、全体的なアプリケーション需要の急速な拡大により、ハイエンドAIサーバー市場は早期に高速成長軌道へ回帰するとの見方を示した。
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